患者の目線に立ち、不足なく説明することが大切

コミュニケーションが不足するとどうなる?

コミュニケーションが不足するとどうなる?

近年、医療訴訟が増加しています。これは、医師や看護師など医療現場で働いている医療従事者と患者側のコミュニケーションが十分にとれておらず、患者に不信感を抱かせてしまうことが一因となっています。信頼関係を築けなかった原因には現在の医療制度の不備や労働環境の過酷さなども関係していますが、患者の視点に立って考えることも忘れてはいけません。

見えない部分に大きな不安を感じている

見えない部分に大きな不安を感じている

患者は医師や看護師ほど病状や治療内容に精通していません。理解していない部分も多いため、より詳しい説明を求めるのは当たり前のことです。しかし、医師や看護師は同じような症状を数多く診てきているため、必要な部分のみを伝え、詳細な説明を省略している場合があります。
例えば、乳幼児が高熱を出し、心配した母親が小児科に連れて行ったとします。診察の結果、熱以外の症状がなかったため、医師からは風邪もしくは突発性発疹の可能性があるとしてしばらく様子を見るよう告げられました。子どもの発熱はよくある症状のため医師はそのように伝えましたが、母親は高熱そのものを緩和する処方が出なかったことに対して不信感を抱きました。普段とは違う我が子の様子に母親が不安になるのは当たり前のことです。「なぜこのような症状なのか」「どうすれば良くなるのか」を知りたいのに、十分な説明がないままでは不信感を抱いても仕方がありません。
しっかり説明していると思っているかもしれませんが、医学の基本的な考え方や捉え方が医療従事者と患者では大きく異なります。医師や看護師はそれを理解したうえでひとつずつ丁寧に説明することを心がけたいところです。しかし、現在の医療制度では残念ながらそこまで詳しく説明する時間はとれないため、説明不足が不信感を招き、最悪の場合は訴訟に発展する、という負のループに陥っているのです。

医療従事者の抱える問題は患者には見えない

医療従事者の抱える問題は患者には見えない

患者は「病院にいればすぐに対応してもらえるから安心だ」と思っていますが、混雑している場合はすぐに診察してもらえるとは限りません。外来の診察時間帯であれば他にも待っている人がたくさんいるため不満を持ちながらもある程度は仕方がないと思えますが、救急外来の場合は「救急なのになぜすぐに診察してもらえないのか」と思うことでしょう。すぐに診察できない理由には当直医の不在や他診療科からの応援待ちなど様々なものがありますが、それらは患者には分からないことです。なかなか診察してもらえないことに不満を持っている中で急に状態が悪化してしまうとどうなるでしょうか。病院にいるにもかかわらず診察してもらえず、急変したことに患者は強い不信感を抱くでしょう。病院側に何らかの事情があったとしてもそれらは一切患者には伝えられないため、ただ不信感を募らせてしまいます。
そのような事態を防ぐには、「見えない部分」をしっかりと説明し、そのうえで患者の言葉に耳を傾け、適切に対応していくことが大切です。

コミュニケーションのコツを紹介

なぜ看護師にコミュニケーション力が必要なのかを解説しているサイトです。会話を弾ませるコツやコミュニケーションがとりやすい立ち位置など役に立つ情報が満載です。当サイトについてのお問い合わせは【こちらから】お願いいたします。

TOP

コミュニケーションに悩む看護師へ 患者とのコミュニケーションに悩む看護師に向けて、スムーズにコミュニケーションをとるために押さえておきたいポイントや会話を広げるコツなど有益な情報を紹介しています。

Copyright (C) 2020 悩んだら見て!患者とのコミュニケーション術 | All Rights Reserved.