心の距離を縮める会話術
コミュニケーションが不足すると患者の悩みにも気づきにくくなります。思わぬ事故につながってしまう場合もあるため、日頃からコミュニケーションをとって状態を把握しておくことが大切です。患者は病院にいるとはいえ大きな不安を抱えています。精神的に落ち込んでいる状態で急に話しかけられても心は開けません。まずは毎日声をかけて信頼関係を築くように努力しましょう。
すべての基本はあいさつから
対人関係の基本はあいさつです。「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」「おやすみなさい」などのあいさつを大切にしましょう。あいさつをせずに患者と接する看護師もいますが、好感を持たれやすいのは普段から積極的にあいさつをしてくれる人です。自分からあいさつするように心がけるだけで、患者とコミュニケーションがとりやすくなります。
名前を覚える
患者と話す時は相手の名前を意識して呼びかけるようにしましょう。名前で呼ばれることで個人として認識されていると感じるため嬉しく思うものです。頑なになっている心も開きやすくなるでしょう。病院には患者がたくさんいるため1人ひとりの名前を覚えるのは大変かもしれませんが、しっかり覚えて積極的に話しかけてみましょう。
ポジティブな会話を増やす
患者は普段とは違う状態に陥っているため精神的に落ち込んでいます。なるべく明るい話題でポジティブな会話を心がけましょう。相手の好きなことや得意なことを聞くと会話のきっかけにもなります。楽しい会話を増やして、患者が苛立ったり、気が滅入ったりするのを防いであげるのも看護師の役割です。
優しくフォローする
会話すること自体が嫌いだったり、病気やケガで後ろ向きになって心を閉ざしている患者もいます。元気がないからといって、あれこれと話しかけるのはかえって逆効果になる場合もあるため注意が必要です。このような場合は無理に話しかけるのではなく、「何かあったら遠慮なく相談してください」と優しく声をかけましょう。
毅然とした態度で接することも重要
すべての患者が治療に協力的なわけではありません。時には悪意を持った患者に遭遇することもあります。もし、そのような患者に遭遇したら曖昧な態度でごまかさず、強い態度で対応しましょう。よくあるのが、ナースコールを頻繁に鳴らす患者です。自分でできることも看護師にやってもらおうとしてナースコールを押している場合もあるため、看護師の手が必要ない場合は「自分でやらないとリハビリになりません」と毅然とした態度で接するようにしましょう。